『筆界』って、なに? ★加古川市の土地家屋調査士 吉良守史
2021/08/16
『筆界』って、なに?
知ればなるほど。土地境界。
「境界が分からないんです」「お隣さんともめてるんです」
私にそんなご相談は珍しくありませんが、本当に難しいケースは2~3割くらいです。
それらは境界以外の(たとえば感情的な)問題が複雑に絡んで難しくなっちゃってます。
「まず落ち着いて根本的なところから整理しましょうね」と私はお応えし始めます。
最初にお聞きしながら確認するのは、ご相談が『筆界』のお話なのか、そうでないかです。
さて。『筆界』ってなんでしょう。境界のこと?
一応〇なんですけど、もう一歩。「登記されている筆と筆の境界」のことです。
つまり国が認めた(或いは定めた)境界。
そもそもあなたの所有地も国土の一部です。
それを「筆」という単位で分けて、所有や取引や徴税を可能にしている訳です。
「筆=登記された土地」なので、当然その境界の判断や変更も好き勝手にはできません。
それが『筆界』の性質です。「個人間で筆界を変更」というのは絶対あり得ないんです。
でも実際には変わっていってますよね。
分譲されたり、2つ以上の土地がくっついて1つの大きな土地になったり。
それは筆界の「変更」ではなく、登記手続による筆界の「新設や消滅」の結果なのです。
(土地を分ける登記を「分筆」、くっつける登記を「合筆」と言います)
今回はここまで。シンプルにイメージしていただければ幸いです。
次回は『所有権界』という境界についてお話します。
この違いを知るだけで、境界紛争の原因や対策の方向性がかなり見えてくるかも。